哲学とは何か。
それは、知恵(sophy)への愛(philo)である。
哲学は役に立つのか。 私自身の話をすれば、それは最初、死への恐怖という問いから始まった。しかし、探求を深めるにつれ、哲学は「より良く生きるため」の存在の在り方そのものへと変わっていった。 本書は、スペインの哲学者ホセ・オルテガ・イ・ガセットによる一連の講演「哲学とは何か」をまとめた一冊だ。「哲学の本質」、「なぜ私たちは哲学を学ぶのか」、そして「懐疑と存在」といったテーマについて、著者は実に深い洞察を与えてくれる。特にデカルト思想についての精緻な解説を読んでいた時、私はまるで雷に打たれたように、思わず声を上げてしまった。というのも、私が学生だった頃、いわゆる正統派の哲学とはマルクス主義唯物論であり、唯心論などはすべて異端と見なされていたからだ。
では、哲学は私にどのような知恵を与えてくれたのか。
申し訳ないが、私にその答えを出すことはできない。ヘルマン・ヘッセが言ったように、「知識は伝えることができても、知恵は伝えることができない」からだ。ガセットもまた、同じ見解を示している。
困難な道の終着点で見出されるはずの結果を、旅の始まりにいきなり共有したところで、何が得られるというのか。なぜ私たちは、ゴール地点から哲学を始めなければならないのか。
もしあなたが哲学という名の旅に踏み出してみたいと思うなら、本書は格好の出発点になるだろう。もし難解だと感じる部分があれば、本棚の隅にある『不死の講義』を手に取ってみるのもいいかもしれない。
